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今後の大学入試の方向性と高校での評価 ~後編~

川越富洲原教室 教室長代理(進路アドバイザー)です。

 

今回の進路コラムは、センター試験終了後の新入試と、新入試制度に向けての高校での評価について特集の後編です。平成29年5月中旬に文部科学省が発表した平成33年度大学入学者選抜(実施案)の概略を掲載します。

〔現在の中3以下に適用〕

前編では、大学の入試制度(実施案)を掲載しました。後編では、高校での評価と出願書類(改正案)を取り上げます。

 

(1)評定平均値

従来、高1~高3の出願前までの成績を平均したものを「評定平均値」として、出願基準や点数化して合否判定に用いられてきた。しかし、「目標に準拠した評価とは性格が異なる」ので高等学校の学習成績を全体的に把握するうえでの一つの目安という性格であるということに留意する必要がある。

 

〔平成32年度~〕

高等学校での学習成績を全体的に把握する趣旨を明確にするため、「評定平均値」の呼称を「学習成績の状況」に改める。

 

〔平成36年度~〕

次期学習指導要領に基づいて調査書の様式を見直す際に、「評定平均値(学習成績の状況)の記載欄のさらなる見直しを検討する。

 

 

(2)大学の募集要項

現行の要綱では、「入学者の選抜にあたって、調査書を十分に活用する。」旨を記載しているが、今後は、調査書や志願者本人の記載する資料等を「どのように」活用するかを各大学の募集要項などに明記することになる

 

※現在、調査書などの活用方法は、出願基準であったり、得点化されたりする場合は、募集要項に記載されている場合が多いが、それ以外は、何も書かれていないことが多い。質問しても「非公開」や、「文字通り判断してほしい」という返答がおおい。大学によっては、ボーダー付近の受験生のみ見るとか、総合的に判断して合否を決めると言われる場合もある。(窓口になってもらっている担当者だと、言える範囲ぎりぎりの返答をしてもらっているケースもあります。)

 

 

(3)推薦書

受験生の長所だけを記載するのではなく、学習や活動の成果を踏まえた「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」に関する評価の記載をする。その際、生徒の努力を要する点などについても、その後の指導において特に配慮を要するものがあれば記載する。

 

 

(4)活動報告書

記載内容の例

・「総合的な学習の時間」などにおいて取り組んだ課題研究など。

・学校の内外で意欲的に取り組んだ活動(生徒会活動、部活動、ボランティア活動、資格・検定、大会・コンクールなど)

 

 

(5)志望理由書

入学希望理由の他に、入学後に学びたい内容や、学習計画、大学卒業後を見据えた目標などを記入する。

 

 

(6)内申書

「評定平均値」を「学習成績の状況」に変更

「学習における状況」「行動の特徴、特技等」「部活動、ボランティアなど」「資格、検定」「表彰」「その他」

→従来は3つの欄で上記内容を記載していたが、新様式では、6つの欄にわけられる。学年ごとの記載。(複数の学年を通じた記入が適当である場合は、学年ごとの記入を要しない。)

・備考欄の拡充。大学が指定した特定の分野において、特に優れた学習成果を上げたことを記載できる。

・従来は、A4用紙両面1枚分となっていたが、枚数は任意と変更される。

 

 

(7)今後の大学の対応

・入学者選抜の改革

→文部科学省からの要請もあり、新たな入試方法の開発に取り組んでいる。学力の確認をしたうえで、多様な入学者を選抜しようとしている。このため、各大学では、アドミッション・オフィスの整備・強化や、アドミッション・オフィサーなどの多面的・総合的評価による入学者選抜を支える専門人材の職務の確立・育成・配置などに取り組んでいる。

面接や集団討論が入試に盛り込まれるようになりつつある

 

 

参考文献: 文部科学省発行文書  毎日新聞

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