川越富洲原教室 教室長代理(進路アドバイザー)です。
今回から、学習コラム系の復旧に入ります。
今回は、2016年5月上旬の進路コラムを復旧します。3回シリーズのため途中で、新作のコラムをはさんでの掲載になるかもしれません。
文部科学省が今年(2016年)発表した英語力調査結果では、国が掲げる目標には、ほど遠い状態でした。しかし、横浜の公立中学校である横浜市立南高校附属中学校(中高一貫校)では、3年生の86%が、英検準2級以上取得していた学年も出てきました。(中学卒業レベルは3級。)この要因は、従来の概念を覆す授業方法にありました。
→今作は、前編・中編・後編と3回シリーズで掲載していきます。
前編では、「横浜南高校附属中学校」での取組を紹介します。
(1)一般的な英語の授業
一般的な教科書の使い方としては、 1年間で、教科書を1巡します。つまり、1つの単元を学習するのは、1回だけです。各単元の扱い方は、各校で工夫されていると思います。教育研究は各校・各地域で行われていますので。
(2)5ラウンド式授業
近年公立高校・中学校でも、中高一貫校を設ける自治体が増えてきました。今回取り上げる横浜市立南高校附属中学校(2012年度開校)もその1つです
①5ラウンド式の概要
1冊の教科書を1年間で5巡します。つまり、1つの単元を時期をかえて5回扱うのです。
1巡目…「聞く」 →音声CDを繰り返し聞かせる。本文の内容を描いた複数のカードを用意し並べ替えをする。 〔約2か月〕
2巡目…「文の並び替え」 →音声CDを聞きながら英文を並び替えさせる。 〔約2か月〕
3巡目…「音読」 →本文を読ませる。 〔約2か月〕
4巡目…「文の構造」 →本文の穴埋めプリントで用いて、埋めながら音読させる。 〔約2か月〕
5巡目…「話す・書く」 →2人1組で本文の要旨を英語で説明し、最後に本文の要旨をまとめて書く。 〔約1.5か月〕
②「即興性」と「使える」
担当教諭が指導時に心がけていることの一つは、「即興性」ある。教科書で学んだ内容をいつでも「使える」ようにするために必要な要素であるとのこと。
授業中は英語で話すのが基本。中1の頃は、ついていけない生徒が多かったが、中2の後半には、話している内容を理解する生徒が増えてきている。
横浜市では、今後、この「5ラウンド式」を市内の中学に広げる方針である。
次回、中編では、家庭学習への展開と今後の英語の授業について書きます。
[char no=6 char=”進路アドバイザー”]金城学院大学の一部の英語の講義では、1冊の教科書を複数の講義で活用し、複数の視点から学びを深めているそうです。[/char]