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学校の先生になる! ~教員免許状の取得~

川越富洲原教室 教室長代理(進路アドバイザー)です。

今回の進路コラムは、2016年10月頃のコラムを新たに改訂して掲載します。

 

今回の進路コラムは、学校の先生になるために必要な「教員免許状」の取得についてまとめてみます。教育学部などの教員免許の取得を目的とした学部のない大学でも、オープンキャンパスにおいて、「先生になる!」ことをテーマとした説明会を実施している大学もあります。(つまり、経済学部や理学部などに進学して、教員免許をとるということです。)

 

9月18日に実施された愛知大学オープンキャンパス(2016秋)での教職説明会をはじめ、岐阜聖徳学園大学などの複数の大学の学科説明・就職説明、私独自の大学ネットワークや、私自身が教育学部(教員養成課程)に在籍していたことなどをふまえて書きます。

 

(1)教員免許状の種類

おおまかに、種類を説明します。

専修免許状・・・大学院卒業で取得できる免許状

一種免許状・・・大学卒業で取得できる免許状

二種免許状・・・短大卒業または、大学卒業で取得できる免許状

(一種よりも少ない授業数で取得できる免許状・教員採用後、一種取得を推奨される可能性あり。)

※どの免許でも教員採用試験に応募する資格はある。

 

 

学校種別の種類をおおまかに説明します。

・幼稚園教諭の免許

・小学校教諭の免許

・中学校教諭の免許(教科別)

・高校教諭の免許(教科別)

・特別支援学校教諭の免許

・養護教諭の免許

※学部学科によりどの学校(教科)の免許が取得できるかが異なる。

※特別支援学校は特別支援学校教諭の免許+中学校などの免許が必要。

※認定こども園は、幼稚園教諭と保育士資格が必要。

※中等教育学校は、中学と高校の免許が基本的には必要。

(2017年度から始まる中・高一貫校の制度)

 

 

(2)教育学部(教員養成課程)

教員養成課程のある学部(教育学部やこども学部など)では、教員免許の取得が卒業必要要件となっているため、「教職課程」といわれる教員免許取得に必要な授業すべてが必修科目として設定されている。このため、各教科の専門的な講義は、他学部に比べて少ない。また、教育実習の期間が長めに設定されるなど、教員の育成に力を入れている。実習先もおおむね大学が決めている。

 

①国立大学

一般的に、「小学校・中学(1教科)・高校(1教科)」または、「幼稚園・小学校・(保育士)」の組み合わせで2~3種の免許を取得することが多い。さまざまな教科を専門とするコースがあり選択できる。大学の規模により、一部開講されていない教科もある。(農業・工業・商業・栄養・養護教諭・書道・工芸などは取得できない教育学部もある。)地域により、特色あるコースを用意している大学もある。(へき地教育など)

 

②私立大学

国立大学並みに多くの教科が設定されている大学は少ない。東海エリアでは、岐阜聖徳学園大学くらい。有名大学では、早稲田大学などがある。

多くの大学は、小学校メインで、中学・高校の免許は2~3教科に限定されていることが多い。(中部大学・椙山女学園大学・皇學館大学など)。

中には、「文学部 教育学科」(愛知淑徳大学など)や、「文学部 児童教育学科」(名古屋女子大学)や、「外国語学部 英語教育学科」(名古屋外国語大学)などのように、教育以外の学部の中に教育系の学科が設置されている場合もある。

「こども」を強調している学部・学科では、「幼稚園・小学校・(保育士)」から2~3つ取得できるようにしていることが多い。(名古屋女子大学・金城学院大学・名古屋学芸大学・名古屋経済大学など)

 

 

(3)教育学部(教員養成以外の課程)

教員免許の取得が卒業必要要件になっていない課程。0免課程と言われる。(必要な授業を受ければ免許の取得は可能。)近年の教育学部の改組により、多くの大学で0免課程が廃止された。大規模教育大学などを中心に、0免課程を残している。特に愛知教育大学は特色的な改革をしていて、新しくできた課程では、教員免許の取得はできなくなった。

 

ちなみに、旧帝国大学(名古屋大学・京都大学など)は、研究機関としての教育学部なので、教員養成以外の課程となる。免許取得を希望する場合、取得できる教員免許は限定される。旧帝国大学がある都道府県には、教員養成課程を主とする教育大学がある。

 

 

(4)教育系以外の学部

経済学部、理学部などの教育とは異なる学部で学び、追加で「教職課程」の授業を受けることにより、教員免許を取得することもできる。取得できるのは、所属学部に関する教科となる。基本的には、必要最低限の授業・実習となるため、教員養成課程ほど教員養成という面では充実していないことが多い。実習先も母校実習となり、自分で手続きをするようです。そのかわり、専門分野の授業は、教員養成課程よりも多く受けることができる

 

教員養成に重点を置きたいか、専門分野に重点を置きたいかを考えることになる。

※ごく一部の大学では、教職課程を廃止している大学もあるので注意が必要。

 

☆教職課程センター

多くの大学で「教員免許取得のための部署」があり、教職課程の授業運営や、教育委員会・学校との連携、学校ボランティアなどの紹介、採用試験対策などを担っている。

 

愛知大学では、元校長を職員に採用し、教員採用試験対策に力を入れている。小・中・高校の教科書や採用試験対策の教材などを豊富に取り揃えている。また、学びやすい環境も準備されている。模擬試験・模擬面接・模擬討論などでの対策や、小論文の添削なども行われている。(岐阜聖徳学園大学など、他大学でも似た対策を行っている。)

 

※中学・高校の免許しか取得できない大学の中には、他大学の通信課程と連携して小学校の教員免許を取得できるようにしているところもある。(このケースは授業料が別途発生する。)

 

※一般的ではないが、以下のケースでも教員免許の取得が目指せる場合がある。(二種免許になる場合もある。)

①短期大学 → 4年制大学へ編入

②子ども関係の専門学校 → 系列の大学への編入     など

(4年制大学への編入後3年かかる可能性がある。)

 

 

 (5)取得可能な教員免許

各大学のパンフレットなどで、紹介されている。取得したい教科・校種があるか、きちんと確認しておきましょう。

 

 

(6)大学院と教員採用

教育学部の場合、大学院へ進学するケースは少ない。免許状も「一種」で十分ということもあり、大学4年生で教員採用試験に臨むことが多い。

小学校はまだ採用数が多いのでまだましだが、中学・高校や特に1つの学校に1~2名しか配置されない教科や養護教諭については、採用数が少ないので厳しい試験となる。

それでも、常勤講師(正規教員とほぼ同様の勤務)や非常勤講師(主に授業のみ出勤)として学校で勤務しながら、翌年の採用試験の準備をするケースも多くある。(現場経験を積めるというメリットはある。)

ちなみに、教育大学でも0免課程があったり、教員養成課程であっても進路希望を変更する場合があったりするので、一般就職対策も行ってくれる。総合大学なら、他の学部もあるので、しっかりとした就職支援が受けられる。

 

 

(7)国立大学(教員養成課程)卒業者の就職状況

2017年1月に、2016年3月卒業生のデータを文部科学省が発表しています。このデータを紹介します。

 

①国立大学(教員養成課程)就職状況

2016年3月卒業者数・・・1万888人

→教員就職者・・・6412人(正規:4166人 臨時任用2246人)

→卒業者から進学者(1223人)と保育士(153人)を除いた教員就職率は67.4%だった。

 

②国立大学 教員就職率ランキング

1.鳴門教育大学・・・88.8%

2.大分大学・・・87.8%

3.兵庫教育大学・・・87.2%

4.滋賀大学・・・82.1%

5.上越教育大学・・・80.0%

※ベビーブーム時代に合わせて新設された歴史の浅い教育大学3校がランクインしています。

 

③国立大学 教員就職者数ランキング

1.愛知教育大学・・・459人

2.東京学芸大学・・・444人

3.北海道教育大学・・・416人

4.大阪教育大学・・・362人

5.福岡教育大学・・・293人

※大規模教育大学がランクインしています。

※愛知教育大学は7年連続1位です。

 

 

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