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文部科学省講演 「学習指導要領改訂の動向」② ~各種調査結果と育成すべき資質・能力 編~

川越富洲原教室 教室長代理(進路アドバイザー)です。

2017年3月下旬の新作です。

今回の進路コラムは、「文部科学省の初等中等教育局の担当者による学習指導要領改訂に関する講演」特集の第2回です。学習指導要領改訂の基資料となる各種調査結果とその結果から見える改善点(育成すべき点)を掲載します。

 

(1)各種調査の結果

→学習に関する様々な調査が国際的にも行われています。よくわからないものもあると思いますが、参考程度に掲載しておきます。

 

〈国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)〉

2003年 2007年 2011年 2015年
小4算数 565点

(3位)

568点

(4位)

585点

(5位)

593点

(5位)

小4理科 543点

(3位)

548点

(4位)

559点

(4位)

569点

(3位)

中2数学 570点

(5位)

570点

(5位)

570点

(5位)

586点

(5位)

中2理科 552点

(6位)

554点

(3位)

558点

(4位)

571点

(2位)

※得点は全体的に上昇または維持している。

 

数学、理科に対する意識

小学生の「理科は楽しい」以外は、国際平均より下。

(ただし、意識は少しずつ上昇し、国際平均との差を縮めている。)

(中学生は「日常生活に役立つ」「望む職業に就くために、良い成績をとる必要がある」という生徒の割合が増加し、国際平均との差が縮まっている。)

 

 

〈OECD 生徒の学習到達度調査 (PISA2015)〉

読解力、科学的リテラシー、数学的リテラシーを調査したもの

2000年 2003年 2006年 2009年 2012年 2015年
読解 522点

(8位)

498点

(12位)

498点

(12位)

520点

(5位)

538点

(1位)

516点

(5位)

数学 534点

(4位)

523点

(6位)

529点

(4位)

536点

(2位)

532点

(1位)

科学 531点

(3位

539点

(2位)

547点

(1位)

538点

(1位)

※2012年ではペーパー型、2015年はコンピュータ型での調査

※配付された資料に掲載されていた数値を掲載。

 

→コンピュータ型調査では、複数の画面の情報を読み取り考察しながら解答する問題で戸惑いがあったと分析されている。

 

 

→読解力の向上に向けた学習指導要領改訂による国語教育の改善充実

・語彙力の強化

・文章を読むプロセスに着目した学習の充実

・情報活用に関する指導の充実

・コンピュータを活用した指導への対応

 

 

〈全国学力・学習状況調査〉

→調査結果からみられた課題

①小学生

・国語・・・目的や意図に応じて、自分の考えを書いたり、文章構成の効果をとらえたりすること。

・算数・・・グラフから読み取ることができる情報を根拠にして説明すること。

・理科・・・実験の結果を示したグラフをもとに定量的にとらえて考察すること。結果を見通して実験を構想したり、実験結果をもとに自分の考えを改善したりすること。

 

②中学生

・国語・・・根拠として取り上げる内容が適切かどうかを吟味したり、どの部分が根拠であるかが明確になるような表現上の工夫をしたりすること。

・数学・・・証明の必要性と意味を理解すること。筋道を立てて証明すること。資料の傾向を的確にとらえて判断し、その理由を数学的な表現を用いて説明すること。

・理科・・・溶質の質量と水の質量を求めること。実験結果を数値で示した表から分析して解釈し、規則性を見出すこと。

・課題に正対した実験を計画することや考察すること。

 

〈数学・理科の学習に対する生徒の意識〉

→中学2年生が「そう思う」と回答した割合

数学 数学 理科 理科
日本 国際平均 日本 国際平均
勉強は楽しい 52% 71% 66% 81%
日常生活に役立つ 74% 84% 62% 85%
他教科の勉強に必要 67% 80% 36% 73%
志望大学に合格するために良い成績が必要 73% 85% 59% 77%
望む仕事に就くために良い成績が必要 65% 81% 51% 72%
数学・理科が含まれる職業に就きたい 21% 52% 25% 60%

※国際平均よりも低い。

 

〈高校生の学力・学習意欲等の状況〉

・平日、学校の授業時間以外に全く、または、ほとんど勉強していないものは、高校3年生の約4割。

・高校生の学校外の平均学習時間については、中上位層には大幅な減少からの改善傾向が見られるが、下位層は低い水準で推移している。

 

 

(2)育成すべき資質・能力

①学びに向かう力・人間性等

→どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか。

 

②知識・技能

→何を理解しているか・何ができるか

 

③思考力・判断力・表現力等

→理解していること・できることをどう使うか。

 

各種調査結果による改善点を踏まえて、小学校と中学校の「学習指導要領改訂における教科等の目標の規定」において、目標と上記①~③の分類ごとにそれぞれの教科で何を養うのかを規定している。また、幼稚園については、幼児期のおわりまでに育ってほしい姿としてまとめられている。なお、高校については、これから、策定されていく。

(進路コラムで書ける量ではないので、中身は省略します。)

 

 

今回はここまでとします。次回は、学習指導要領の改定のポイントを掲載します。

 

[char no=6 char=”進路アドバイザー”]2018年度入試に向けてのオープンキャンパスも始まりだしました。学習指導要領のコラムを書き上げましたら、新作の大学情報を掲載していきます。[/char]
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