富田教室・川越富洲原教室・四日市ときわ教室 進路アドバイザーです。
今回の進路コラムは、2020年度から全面実施される新学習指導要領で必修化される「小学校でのプログラミング教育」。
そのプログラミング教育に対する大学の対応を特集します。
1.必修化されるプログラミング教育
2020年度の学習指導要領の改訂により、小学校から高校までを通して、プログラミング教育が行われていくことになります。
文部科学省が発表している内容によると、小学校で必修化されるプログラミング教育は、
「コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な、論理的な思考力を身に着ける学習活動」
とされています。
あくまでも理科や算数などの授業の中で「プログラミング的思考」を教えるのが目的であるとされています。
(プログラミング言語を覚えたり技術を習得したりする内容ではない。)
2.プログラミング的思考とは?
「プログラミング的思考」とは何でしょうか?
「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」
とされています。
プログラミング的思考の流れ
- コンピュータにどのような動きをさせたいのかという自らの意図を明確にする。
- コンピュータにどのような動きをどのような順序でさせればよいのかを考える。
- 一つ一つの動きを対応する命令(記号)に置き換える。
- これらの命令(記号)をどのように組み合わせれば、自分が考える動作を実現できるかを考える。
- その命令(記号)の組合せをどのように改善すれば、自分が考える動作により近づいていくのかを試行錯誤しながら考える。
正三角形を書く場合の例
※プログラミング的思考とは、これらのことを論理的に考える力のことである。
3.大学の対応
プログラミング教育は、教科として位置づけられていないため、大学でも教員免許取得に必要な単位として扱われていません。
しかし、全教員が各教科にプログラミングを取り入れて授業を行う必要があるため、各大学はそれぞれ独自の方法でカリキュラムに組み込んでいるところです。
主な国立大学の教育学部(教員養成課程)の対応を次に紹介しましょう。
上越教育大学
2015年度から、1年生を対象に講義を必修として対応している。学生はプログラミング関連機材の扱い方などの基礎を学んだあと、各教科に関連付けた使い方を考えるようにしている。
岩手大学 教育学部
2019年度より1年生の必修講義として扱われる。機材に触れるだけでなく、プログラミング言語(Java)も指導される。基礎を学んだうえで、実際の授業でどのように取り入れていくか考えるようになる。
東京学芸大学
2018年度からプログラミング教育を学ぶ講義を試験的に導入。2020年度からの本格実施に向けて、教員養成向けの専用教科書を作成中である。小学校教員を目指す学生が1学年約600名いるため、必修化は難しいと考えられている。
岐阜大学 教育学部
2018年度から、岐阜市教育委員会や企業と協力して、カリキュラムの開発を始めている。1年生対象の情報通信技術を学ぶ必修科目にプログラミング教育を学ぶ機会を2回組み込まれている。小学校にプログラミング教育が導入される背景や機材の使い方などの基礎を学ぶ。さらに、希望者には発展的な講義も受講でき、最終的には、体験講座で子供に教えるところまで行っている。
※なお、岐阜市では市内の公立小中学校に人型ロボット「ペッパー」を配備し、ペッパーに決まった動きをさせるプログラミングなどを体験させている。
(ちなみに、近くでは鈴鹿中等教育学校にもペッパーが配備されていますね。)
茨城大学 教育学部
2017年度から必修科目内で1回学習させている。希望者には専門的な講義も受講できるようにしている。
信州大学 教育学部
2017年度から必修科目内で3回ほど学習するようにしている。
※参考文献:毎日新聞、文部科学省発行資料
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