川越富洲原教室 教室長代理(進路アドバイザー)です。

2016年12月の進路コラムを復旧します。

今回の進路コラムは、近年新設されている「文理融合型学部」について特集します。

国立大学が法人化されて以降、各大学で改革が進んでいます。特に近年は、運営交付金の増減があるため、文部科学省の方針に従って、学部・学科の改組や新設が進んでいます。

特に、純粋な文系学部を増やしにくいことや、今後の人材育成の強化のため、「文理融合型の学部」の新設が目立ってきています。

 

(1)国立大学の新設学部の例

・東京海洋大学  海洋資源環境学部

・横浜国立大学  都市科学部

・新潟大学    創生学部

・滋賀大学    データサイエンス学部

・島根大学    人間科学部

 

※この他、名古屋大学情報学部など、改組・再編関連でできる学部もある。

 

 

(2)高い付加価値をつけるために

文部科学省の求めに応じて、各国立大学は、「グローバル化」や「地域振興」などを掲げた学部の新設を進めている。

また、人文社会学系や教員養成系の学部の見直しに応じ、改組も行われてきた。

人工知能(AI)やロボット、情報通信技術(ICT)などが発達してきていることに伴い、事務仕事が減っていく。すると、純粋な文系の学部が活躍できる分野は限られてくる。

今後は、文系でも数学のできる人材や、理系でも国語のできる人材が求められてくる。このため、文理をはっきりと分けない形の教育も必要となってくる。そこで、大学も取り残されないように、文理融合型の学部を新設し、社会の流れに対応した人材育成を進められるようにして、付加価値をもった人材の輩出を目指している。

 

 

(3)新設学部の例

①新たな都市づくり人材 ~横浜国立大学~

横浜国立大学では、2017年度に半世紀ぶりに学部新設を行う。理工学部の建築・環境系の学科と教育人間科学部の人間文化課程を融合させた都市科学部である。建築学と文化・社会学を合わせて学ぶのが特徴である。これも文理融合による特色づくりの例となる。

横浜国立大学ホームページはこちら

 

 

②ビッグデータの専門家の養成 ~滋賀大学~

滋賀大学は、データサイエンス学部を新設する。この学部で育成していこうとしている人材は、インターネット上に蓄積されたビッグデータを読み解き、分析する「データのサイエンティスト」であるICTの進化に伴い、ビジネスや医療や教育などのさまざまな分野でデータがたくさんあり、これらを解析して有益な情報を生み出す手法を学ぶ。このような統計学は、個別の学科としては存在したが、統計学を中心とした学びに特化して学ぶ学部は初である。

膨大なデータ処理には数学の知識が必要だが、解析や応用には人文社会学系の一般教養が求められる

そこで滋賀大学では、文系と理系の双方の知識とスキルを活かせる人材を育成していく予定である。

滋賀大学ホームページはこちら

 

 

(4)文理融合学部の設置の背景

従来は、人文社会学系と理工学系は別々の人材育成が行われていればよかった。

しかし、現在は、大学側も特色をだし、学生の確保も課題となってきている大学もある。(特に私立大学や地方の国公立大学。)また、文部科学省の方針にそった大学づくりをしていかないと、運営交付金や補助金にも影響してくる。

そこで、地域や産業界からの要請と文部科学省の方針を組み合わせていくと「文理融合型学部」という形が生み出されてきたのでしょう。今後は、大学で何をどのように学び、どのような知識や技術を持って社会に出ていくかということを考えていく必要が出てきています

各学部・各学科において何を中心に据えて講義を行っていくかは、各大学がはっきりとさせています。(文部科学省への申請で必要なため。)学部・学科名だけで判断せず、何を中心に学ぶのかまで確認しておく必要があります。(こういう情報もオープンキャンパスや相談会に行かないとわからない情報です。)

 

 

参考文献:毎日新聞 〔(1)~(3)の内容 〕