富田教室・川越富洲原教室・四日市ときわ教室 進路アドバイザーです。
新大学入試の共通テストで、外部検定試験が活用されるようになります。
そして、入試で使える外部検定試験が公表されました。
今回の進路コラムでは、この試験について特集します。
(1)外部検定の認定要件
・1回の試験で英語4技能全てを評価
・学習指導要領との整合性があること
・CEFRとの対応関係、その根拠となる検証方法や公表体制の整備がなされていること
・毎年度4月から12月までの間で複数回の試験実施
→高校3年生の4月から12月に受験した2回まで成績利用が認められている。
・原則、毎年度全都道府県での試験実施
→当分の間は、近隣の複数県を併せた地域での合同実施も可とし、この場合、全国各地の計10か所以上で複数回実施することを要する。
・適切な検定料であること
・試験監督及び採点の公平性・公正性を確保するための方策の公表
→会場及び各試験室の責任者が、受検生の所属高校等の教職員ではないこと。受検生の所属高校等の教職員が採点に関わらないこと。
(2)対象となる外部検定
- 英検(3級~1級) →新方式
- TEAP
- TEAP CBT
- IELTS
- TOEFL iBT
- TOEIC
- ケンブリッジ英語検定
- GTEC(Advanced Basic Core CBT)
(3)英検の新方式の主な内容
・従来型英検の特別準会場としての実施
→本会場に加え、離島・遠隔地の準会場(学校等)での実施については、試験監督者を派遣し、特別準会場として実施する。
・1日完結型の導入
→高校3年生のみを対象とした方式。リーディング・リスニング・ライティングの3技能は従来と同様のPBT、スピーキングは録音によるCBTで、1日で試験を行う。2020年度から準1級~3級で実施予定。
・公開会場実施型の導入
→高校3年生のみを対象とした方式。リーディング・リスニング・ライティングはPBT、スピーキングは対面式で行い、2日間をかけて試験を実施。従来の方式と同じ内容だが、1次試験の結果に関わらず、2次試験の面接(スピーキング)も受けることができる。2020年度から1級~3級で実施予定。
・英検4技能CBTの導入
→4技能すべてをCBT方式で、1日で試験を行う。スピーキングは録音式。2019年8月から2級・準2級・3級で実施予定。
※高校3年生のみを対象とした方式は、共通テストを受験する既卒者も受験可能。
※従来型の英検も引き続き実施。
(4)外部試験の認定審査は甘かった?
審査には、3ヶ月かかっていたが、実施団体の申請内容を文部科学省や大学入試センターが確認するだけの形式的なものにとどまった。
一方、検定料が一部で値上がりしたほか、各都道府県で受けられない試験も認められ、高校などの懸念は深まっている。
「話すテスト」は、記述式試験よりも採点の信頼性を確保するのが困難とされる。
採点者の経験や訓練の度合い、コンピューターに吹き込んだ音声を機械が採点する場合に、採点基準をどう設定するかなどで、採点にぶれが生じる可能性がある。
しかし、総じてどれも歴史のある試験。委員会の中ではそんなに詰めた話にならなかったと、詳しく検証しなかったことを認めている。
(5)CEFR(セファール)
対象試験の成績は、センターが一元管理し、得点そのものとCEFRに基づく6段階評価が受験生の志望大学に送られ、合否判定などに使われる。
8種類の試験は、TOEFLなど、欧米の大学で学ぶために必要な英語力を測るものもあれば、TOEICのようにビジネスで使う英語力を評価するものもある。
開発された目的も出題内容も異なる試験の成績を比較するための物差しとして文部科学省が挙げるのが語学力の国際指標とされるCEFRである。
しかし、ある試験は国内の大学の研究者が調べ、別の試験は欧州の言語学者が評価するなど、各実施団体がそれぞれの調査で示した内容について確認し、文科省が独自に個々の試験の成績がCEFRのどのレベルに該当するかを検証しなかった。
しかも、その確認作業は各実施団体も委員を務める作業部会が担当した。
文部科学省はこれまでも各試験の成績とCEFRの対照表を公表してきたが、たびたび中身が変わっているのが実態である。
(6)今後の流れ
- 2018年11月 試行調査の実施
- 2019年度初頭 実施大綱の策定・公表
- 2019年度内 確認のための試行調査
- 2021年1月 大学入学共通テストの実施
参考文献:
・旺文社資料 「共通テスト」英語で利用可能となる外部検定の要件を公表
・旺文社資料 「共通テスト」で利用可能な外部検定 申請結果を公表
・毎日新聞