平成30年度(2018年度) 三重県立高校入試(後期選抜)講評

川越富洲原教室 教室長代理(進路アドバイザー)です。

 

今回の進路コラムは、番外編として、2018年3月12日に実施された三重県立高校入試(後期選抜)を特集します。

大学入試の変更に伴い、高校入試も変わりつつあります。

思考力や読解力、判断力が求められる問題が出題されるようになってきました。

 

 

(1)国語

大問数は例年通りでしたが、出題傾向に変化が見られました。

  • 行書の問題は、楷書との違いが定番ですが、今回は、楷書とは異なる筆順の文字を選ばせる問題でした。
  • 文法は、「文節」に分ける問題と動詞の活用の種類と活用形が出題されました。接続詞の問題も見られました。
  • 記述問題では、読解力を試す問題が出題されていました。
  • 古文は、現代仮名遣いや主語の問題は例年通りでしたが、書き抜き問題が登場しました。「 」のつけ方がポイントでした。
  • 大問5は毎年形式を変えてきます。今回は思考力を試す問題でした。
  • 作文は「仕事をするうえで大切なこと」というテーマで、三択からひとつ選んで書かせる形態でした。例年と異なり、選択肢がつきました。

 

 

(2)数学

例年並みの「難易度の高い問題が一定数ある」出題でした。

  • 大問1では、計算問題・因数分解・最頻値・相対度数などが出題されていました。
  • 大問2の連立方程式や確率もおおむね例年通りでした。
  • 関数の問題は、変域や直線の式などオーソドックスな問題もありましたが、体積や面積が絡んでくると難易度が上がってきます。
  • 作図は、正三角形を作り、角の二等分線を引くことに気づけたかどうかがポイントでした。
  • 図形の問題は例年通り難易度の高めの問題でした。三平方の定理を用いることがポイントでした。
  • 穴埋めではない証明問題も例年通り難易度の高めの問題でした。二等辺三角形の底角が等しいことをチェックし、円周角を用いることに気づけるかどうかがポイントでした。

 

 

(3)社会

社会と言えば、暗記系科目のように思われがちですが、思考力が試される問題が多く出題されるのが三重県の傾向です。

  • 地理では、例年通り、地図や表や写真が出てきています。各地の特徴的なことから判断していけたかどうかがポイントでした。時差の知識が必要な問題もありました。
  • 歴史では、各時代から出題されていました。特定の時代に偏らない、幅広い知識が必要でした。日本と世界の関係に関する出題も見られました。
  • 公民では、人権・国会・権力分立・消費生活・雇用に関する問題が出題されました。記述問題では、表から考えさせる問題も出題されていました。

 

 

(4)英語

全体的に対話表現がどの程度身についているかということや、語彙力が必要な問題もありました。

例年並みの出題形式ですが、読解力・国語力を求められる出題もあり、丸暗記的な対策では限界がある科目といえます。

  • リスニングは、答えとなる部分をきちんと聞き取れたかどうかがポイントでした。
  • 対話文や長文の問題では、日本語で説明させる問題もありました。
  • 読解問題では、空欄や傍線部の前後をチェックするのが基本ですが、少し離れたところに答えの内容が書いてある問題もありましたので、解きづらく感じたかもしれません。
  • 作文では、文法と熟語表現を覚えているかがポイントでした。

 

 

(5)理科

  • 生物・地学・物理・化学の各分野から大問2つずつ出題されました。
  • 例年通り実験・観察の問題が多く出題されています。
  • 作図問題としては、グラフを書かせる問題が出題されました。
  • 今年の出題分野は、刺激と反応、状態変化、浮力、天気、電池、イオン式、生態系、岩石・地層、電流と磁界でした。イオンは毎年出ています。
  • 計算問題については、公式を覚えておく必要がありました。

 

 

さいごに

どの科目も記述問題が多く出題されています。

記述問題が多いのはここ数年共通した特徴ですが、新しい大学入試改革・新教育指導要領を踏まえて、さらに読解力・思考力を求められる記述問題の増加が今後予想されます。

また、どの科目も、中1・中2・中3と各学年の内容が公平に出題されています。

中1の内容から復習しておく必要がありますが、言い方を変えれば、中1・中2の内容をしっかり定着しておくことが、入試で合格をつかむ近道です。

 

つまり、入試は中学3年生からではなく中学2年・中学1年生、いや、もっと言えば、小学生から早く準備を始めた人が有利です。

早期から受験勉強を意識して、まずは毎日の学校授業の復習をスタートしましょう。

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