川越富洲原教室 教室長代理(進路アドバイザー)です。
2016年5月中旬の進路コラムを復旧します。
今回の進路コラムは、私の約15年の英語指導経験や入試に基づく、英語学習・「音声」重視の学習をまとめます。そして、進路コラムは大学情報がメインですので、大学の授業についても触れます。
(1)「音声」重視から始める英語の学習
①小学生の英語
私の小学生の英語の授業では、文法は置いといて、ネイティブの音声を聞かせることを優先しています。音声を聞いて絵を選ばせる問題を扱っています。「読む」「書く」に比べて「聞く」ほうはよくできています。英文は、あいさつや基本例文レベルなので、「このような表現もあるよ。」レベルで話しています。単語を書けるようにするのは難易度がかなりあがります。授業中に何度も練習させています。
②人間の言語習得と音声重視の英語学習
赤ちゃんが少し成長して言葉を話し出すのと似たイメージをもっていただくといいと思います。親や周りの人たちの話すのを聞いて、まねして話し出す。これを繰り返して語彙を増やしていきます。文法は、小学校で少し、中学校で本格的に学びます。横浜方式は、母語の言語習得と似たことを短期間で英語でも試してみるといってもいいのではないかと思います。
③中学・高校の英語
中学生・高校生になってくると、どうしても文法重視の学習になってしまいます。それは、定期テストや入試があるからです。「聞く」というのが後回しになってしまいます。とはいえ、「リスニング」が定期テストや入試である以上、英語の音声に耳を慣らしていく必要もあります。
④入試を意識した英語
大学入試が変わりつつあります。英語の4技能「読む」「聞く」「話す」「書く」の力を見るため、英検などの外部英語試験を活用する動きが出ています。入試が変わると、学校の授業も変わります。「アクティブラーニング」を導入する学校が増えてきています。従来通り文法もやりますが、「聞く」「話す」という「音声」分野の比重も高まっています。このため、例えば愛知県では、学校の英語教員の研修会に愛知教育大学・愛知県立大学・日本福祉大学の英語教育を専門とする教員が参加しアドバイスにあたっています。
(2)大学の授業
①大学教育でのアクティブラーニング
就職すると、「自ら課題を発見し、自ら課題を解決していく」ことが求められます。そこで、大学では、講義を聴くだけの座学だけでなく、アクティブラーニングが導入されています。自ら考え結論を出し、プレゼンするという授業もあります。パワーポイントを用いたプレゼンを行う場合もあります。新しい校舎だと、アクティブラーニングやパワーポイントを用いた発表がしやすい教室になっています。
②大学でのクォーター制の導入
従来、大学はセメスター制(2学期制)を取っていましたが、週2回授業を行い、授業の間隔をあけないようにし、忘れる前に次の講義を行えるように、クォーター制(4学期制)を取り入れる大学が登場してきています。また、セメスター制のままでも、英語系の学部だけは、1回の授業時間を短くし、週2回の授業を行えるようにして、語学力の向上を図る大学も登場してきています。どのような形態でも、単位取得のためには、1つの講座につき90分×15回分の授業時間が必要になるので、その時間数は確保されています。
③実験・調査・作品制作
実験や調査を行うものについては、半日~1日がかりで行われるケースもあります。3~4年生になると研究内容によっては、数日かかる実験もあるようです。また、作品制作を行う場合は、授業時間以外に自主的に取り組むこともあります。
(3)まとめ
3回シリーズで、横浜の「5ラウンド式」について解説してきましたが、「横浜すごいね」で終わってしまっては意味がありません。学習法は複数あります。生徒さんにより適する学習法は異なります。「5ラウンド式」があいそうな生徒さんは、取り組みやすいようにアレンジしてもいいので、挑戦してみてください。
[char no=3 char=”教務”]取り組み始めた学習法の成果が出始めるのは、約3ヶ月後になることが多いです。(高校生はもっとかかる場合もあります。)これくらいの期間がかかることと、一度成績が下がってから上がることが多いことを前提に新しい学習法を試してみてください。[/char]
[char no=6 char=”進路アドバイザー”]英検についても改革が行われています。大学入試において、英語の4技能の重要性が高まってきていることにより、2016年度より2級でライティングが導入されましたが、2017年度からは、準2級と3級にもライティングが導入予定です。[/char]