統括です。先日毎年恒例の春の教室長研修会(in京都)に参加しました。
今年も講師は「池谷裕二先生」です。
毎年 新潮文庫の100冊 2017 に選ばれています。
(ボンバーマンみたいなキャラですね・・)
この感情は何だろう・・・って思いたいから、読書することがありますよね。
私は普段読む時間の確保が難しいので、新幹線移動するときなどにまとめて読みます。
ビルゲイツや経営者はもっと忙しいのに、毎日30分・・・
中学生や高校生の読書感想文の課題にもなっている有名な方です。
徹夜は無駄! 好奇心こそ記憶力の鍵。裏ワザ満載、最強の勉強法。脳をダマして、受験に克つ!「海馬」は記憶を司る部位。だが、脳は蓄えるよりも忘れていくほうが多いのだ。試験前に徹夜で詰め込んだ記憶は、呆気なく消えていく。しかし、興味があるものはすぐに覚えられるし、バイオリズムのタイミングをつかめば記憶効率は上がる。――海馬、扁桃体、LTP等々、脳の働きを正しく理解して、恐れず受験に挑む! 気鋭の脳研究者が考える学習法。『高校生の勉強法』改題。
情報源: 新潮文庫の100冊 2017
- 今回は、「効率の良い学習方法」がテーマです。
- 頭の良さとは=知能を支える3つの要素
- 3つ目の熱意が軽視される理由
- 熱意やる気はどのようにして生まれるのか?
- やる気は脳のどこで生まれるのか?
- 「箸を加えてマンガを読む」実験
- こんな時はどうしたら良いのか?
- 掃除が嫌い。元々好きな人はいない→まずは掃除する。
- 将来を選ぶ二つの原理
- 志望動機は二つしか
- 脳学的に見た「学習の流儀25」
- 1.一つの情報を様々な方法で学ぶ
- 2.大きなタスクは細分化せよ
- 3.新たな情報はその日のうちに復習
- 4.毎日少しずつ様々な科目に取り組む
- 5.一気に詰め込まず、間隔を空けて繰り返せ
- 6.クラスの前の方に座る
- 7.モチベーションを維持できるよいともだち
- 8.同時に複数のタスクを行わない。
- 9.静か過ぎる部屋は避ける
- 10.やる気でなく、システムに従え
- 11.できるだけ同じ時間に起床勉強就寝する
- 12.一週間のラフなスケジュールを作る。
- 13.良い姿勢、良い表情を心がける。
- 14.手書きでノートを取る
- 15.不安な事項を書き出す
- 16.テストを取り入れよ
- 17.大切な情報を大きな声で読む
- 18.定期的に休憩を入れる
- 19.勉強場所を時々変える
- 20.勉強が終わったら自分に毎回ご褒美を
- 21.結果ではなく、プロセスを重視せよ。
- 22.1日少なくとも8杯の水を飲む
- 23.週に3回は運動する
- 24.毎晩8時間は寝る。徹夜は厳禁
- 25.いわゆる「暗記法」を活用する
- おまけ
- 個人的に心にヒットしたことは
今回は、「効率の良い学習方法」がテーマです。
以前も話された内容の最新版です。
効率の良い学習方法に基づいて、リーチング学習手帳が作成されています。
箇条書きで分かりにくい部分もありますが、お許しください。
時間がない方は、この色だけ読めばお役に立てると思います。
頭の良さとは=知能を支える3つの要素
知能検査(IQ)を創案したビネーが言うに
- 論理
- 言語
- 熱意
が頭の良さを支えている3つの要素です。
論理や言語の大事さは分かりやすいと思うのですが、
熱意も含まれていることを初めて知りました。
(言われてみれば、当然なのですが・・・塾の仕事をしていてほとんどの悩みは熱意なので・・・)
3つ目の熱意が軽視される理由
「やればできる」のワナその1
→「やればできる」は褒め言葉ではない。
やっていないから、褒めることもできない。
「やればできる」のワナその2
やればできると思うの腕、いつかやるさと先送り→
やるとバレるからやらない→落ちこぼれる
「やればできる」は禁句です。
- 論理
- 言語
- 熱意 →見えない学力
熱意やる気はどのようにして生まれるのか?
検証実験 ネズミのヒゲの脳反応(ワクワク実験)
受動的に接触
(右から左へ学校の授業など)
積極的に感知
偶然その本の内容のリンクを見つけました。
→積極的に学びに行く環境づくりが大切
個別指導でもこのような状態、環境を作り出すことが大事。
最初に考えて失敗すればするほど良い
最短経路
初日にどれだけ失敗していたか
初期の失敗が大事。
失敗は成功の元
ネズミも人も同じ哺乳類で原始的なことはほとんど人と差がない。
不正解時に早く解党するネズミほどだめ
じっくり考えて失敗しよう
偶然でもたまたま正解してしまうと良くない
検索の失敗が学習を促進する
答えを推測することに意味がある。
だから、間違っても良い。
トーマスエジソンの言葉
私は一度も失敗したことがない。何万通りものうまくいかない方法を発見しただけなのだ。
やる気は脳のどこで生まれるのか?
(内発的動機)
実験 ゲームのスコアに応じて賞金
100円100倍
側坐核(そくざかく)が活動する。
どうする?
バイオフィードバックという手法
血圧を10下げろ!
自分の血圧がわかれば、自分の血圧を上げることがコントロールできる。
脳の活動を意図的に操作する
ニューロフィードバック
→自在にコントロールできる。
側坐核をニューロフィードバックをコントロールする。
アメリカの研究
できるが、やる気を使って、やる気を出す必要がある。
方法は?
楽しいことを想像した(楽しくご機嫌に生きる)
or 楽しくなくても、脳だけが楽しいと自覚すればいい。
サブリミナル映像で自分にとっていい内容が表示されている。
自分ではわかっていなくても、脳が無意識で分かれば脳にはいい影響になっている。
脳は活動している。
脳は無意識に行動している
=無意識こそが本当の「私」
気合と根性では成長しない・・・
例)bookは訳さずとも理解できます。I have a book.も 無意識でできるかできないかがテストで重要です。
「箸を加えてマンガを読む」実験
唇
歯
歯ー口角が上がる。強制的に上げる。
感情と表情の因果律
楽しいから→笑うと思うが・・・
しかし、研究によると、
笑うという体の行動があり、楽しいとなる。
意識的に笑うという(口角を上げる)行動をすると、楽しくなり、脳にいい影響を与える
例)
口角を上げる以外の方法
例)ガッツポーズや拳を作るだけでも脳にいい影響があるそうですよ。
人の話を聞く姿勢
・姿勢で話の面白さが変わる。
その人の話が面白くないのは、姿勢のせい?
こんな時はどうしたら良いのか?
ねむい
やる気がしない
体が感情を決めるので、まずは起きること
掃除が嫌い。元々好きな人はいない→まずは掃除する。
作業興奮
やる気は行動の原因ではなく、結果
やり始めない限りやる気は出ない。
脳から体へではなく、体から脳へ
将来を選ぶ二つの原理
何をしたいのか V S 失敗したくない
(目的主導型) (消去法選択)
が多いが、この二つでは厳しい・・・
今の小学生の65%は将来現在ない職業につく
=夢をいただくとは35%の狭き可能性に自分を閉じ込めること
将来がどんな世界がやってきても順応できる柔軟性を磨く
志望動機は二つしか
手段動機 (代わりがきく)
ーを身に付けたい
まりたい
将来ーなりたい
国のために貢献したい。
→できが悪い。
内発的動機
ーがそのものが楽しそうだから
→将来伸びる
※手段動機が多く持っているほど、成績が悪い
スキルや動機は関係ない。
脳学的に見た「学習の流儀25」
1.一つの情報を様々な方法で学ぶ
(ノート、音声、ビデオ、マインドマップ、ネットで調べる人に教えるなど)
2.大きなタスクは細分化せよ
本を読む時、見出しだけ読む、本文だけ読むなど
スモールステップ法
細かくしていく
パーツに分けていく
マラソン選手
「次の電信柱まで走ろう」ってしていく
3.新たな情報はその日のうちに復習
ちょっとだけでも復習が圧倒的に大事
4.毎日少しずつ様々な科目に取り組む
毎日少しずつ様々な科目に取り組む
科目をまとめてやるの
と
科目をバラバラやるの
比較
単元まとめてやるほうが初期の成績がよい
だんだん逆転していく
似たような情報を連続して詰め込むと
→脳が混乱すると言われている
ごちゃごちゃのが覚えられる
5.一気に詰め込まず、間隔を空けて繰り返せ
復習のタイミング
(その日・・・ちょっとだけでも)
- 翌日
- 前回復習後の 3日後
- 前回復習後の 7日後
- 前回復習後の21日後
- 前回復習後の30日後
- 前回復習後の45日後
- 前回復習後の60日後
7回復習すれば、一生忘れない記憶になる。
6.クラスの前の方に座る
シャッフルした場合
前のほうで聞いていた人のが成績がよい
モチベーションが低くても前の方に座ることが大事。
前の1/3 距離の近さ
7.モチベーションを維持できるよいともだち
(子どもの脳は大人の言うことをきくようにデザインされていない。)
人類=狩猟民族としてずっとされている。 (人類700万年前、定住1万年前)
父・母
子どもは子どもの言うことしか聞かない。
授業中に面白い話をすれば、その前後を覚えている
8.同時に複数のタスクを行わない。
通知OFF
機内モードON
勉強机の周りに余計なものを置かない。
中断されるのが一番良くない。’
9.静か過ぎる部屋は避ける
・自然音がいい
雨音、そよ風など・・・
10.やる気でなく、システムに従え
優秀な学生は勉強する気分になるのを待つことはない
勉強する時間になれば粛々と始める。
やる気を必要だと感じるのは低次元の発想。
11.できるだけ同じ時間に起床勉強就寝する
ルーチン化は認知不可を低減する。
12.一週間のラフなスケジュールを作る。
部活のある日、ない日などのパターンを作っておく。
13.良い姿勢、良い表情を心がける。
良い姿勢は記憶の想起を促進する。
姿勢を活用したスピード集中法
手の上にテニスボールを頭の上に置いて・・・
実際に動かさ区てもできる
30秒ぐらい
授業のはじめにやる。
集中するという行動は本来はダメ
狩に集中すると、周りの動物にやられる。
後頭部に方に意識を持って行くと集中できる。
14.手書きでノートを取る
手書き=リアルタイムでは無理、ようやくしながら書いているから
15.不安な事項を書き出す
なぜ、明日のテストだけは不安なのか
事前に不安なことを書き出してテストを受けるだけで点数が上がる。
→こんなことしか不安がないと整理できる。
ポジティブなことは書かない。
7週間後でも効果が残る
16.テストを取り入れよ
思い出すことを入れる。
試験中には思い出さないといけない。
ほとんどの授業はインプット、思い出すことはあまりしない。
まとめノートよりも、テストの方が効果的
反復学習 <マインドマップ <反復テスト(最強)
アフリカの地理を習う前に テストをする。
ボツアナの首都
答え合わせをしなくても効果がある。
試験=ストレスがかかる=思い出せない。
しかし、テストによってストレスがかかったものは覚えやすい
17.大切な情報を大きな声で読む
要点を明瞭な声で読み上げる
→3分休憩とって繰り返す
18.定期的に休憩を入れる
40分ごとに5〜10分の休憩
人によって個人差があるので、強制的にするのはよくない
休憩中は何もしない。
19.勉強場所を時々変える
休憩後別の場所で
同じ部屋の中で勉強する場所を変える。
机→床に置いた机など
すぐに移動できるような
20.勉強が終わったら自分に毎回ご褒美を
・音楽、スナック菓子を食べるなど
減点法はダメ
21.結果ではなく、プロセスを重視せよ。
成績を5を取ることでなく、何か新子を知ることと定義する。
能力は伸ばすことができるものだと信じる。
糸を5円玉動かす実験
22.1日少なくとも8杯の水を飲む
75%の生徒は慢性的に水不足
試験20分前に250mlを飲むと成績アップ
23.週に3回は運動する
記憶力
脳kのう
気分ストレス
抑うつ軽減
24.毎晩8時間は寝る。徹夜は厳禁
記憶を定着
過食が減る
25.いわゆる「暗記法」を活用する
- 資格イラスト
- 語呂合わせ
- 接頭語法 頭
- チャンキング
- 連合記憶
おまけ
栄養や食べ物に気を使う。
脳に良さそう
- DHA ーイワシ
- コリン ー卵の黄身
- フラボノイドで記憶力 ーブルーベリー
以上の講演を約1時間半聞き、再確認しました。
個人的に心にヒットしたことは
10.やる気でなく、システムに従え
優秀な学生は勉強する気分になるのを待つことはない
勉強する時間になれば粛々と始める。
やる気を必要だと感じるのは低次元の発想。
現在授業中に取り組んでいる百ます計算があります。
自作のKPSシステムに組み込んだので、毎授業強制的に実施しています。
最初は(今も)一部生徒からボロクソ💢に言われています。(めんどくさいなど)
しかし、世の中には言われたことを粛々とすることが大切です。(パワハラではないです)
百ます計算の目的は
- 計算力向上よりも
- 集中力向上など脳活の部分もあります。
百ます計算の取り組みについては
最初はミスしたり、3分4分だった生徒が
2分を切るレベルに到達しています。
確実に成果が出ています。
また、本日の打ち合わせで「百ます計算の免除条件を決めました。」
・目安の2分30秒以内クリアーなら、月内は免除
・現在1問ミスで−5秒だが、計算ミスを減らすために−15秒にします。
プログラムを追加する時間がなく、5月にぐらいになると思いますが、
楽しみにしています。
もっと積極的にやれる生徒が出るだろうと期待しています。
※また、5月からは成績もシステムに組み込んで、
成績表を持ってきていない生徒は、システムから自動で保護者宛にメールを飛ばして、
強制的にマイナスポイント処理をしたり、成績向上でポイントをもらった生徒の喜びの
写真を保護者宛に送ることも考えています。
人がやると、人のやる気に左右されて、やりたいけど忙しいから後回しというのが
多くなるので、
私は、
10.やる気でなく、システムに従え
を実行します。
参考記事
池谷先生のTwitter
京都研修の翌日、京都の伏見に3時間ぐらい滞在しました。
いつか伏見の歴史について書きたいですね。(吉野も先日行って)
・伏見の地理の利点
・桓武天皇の墓
・明治天皇の墓がなぜ伏見
・乃木希典について
など